サマセットモームの中身

向井地美音さん、AKB48について。

AKB48の大逆襲について

良くも悪くも

ここ1ヶ月のAKB48は話題に事欠かなかった。おんちゃんがコロナに罹ってしまったり、柏木由紀さんが持病の治療のために活動を休止したり、オーディショーがあってアジアフェスティバルがあって、歌番組が放送されたり、待望の新番組が始まり次シングルの選抜が発表されたり、そうこうしてるうちに2人が元気になって帰ってきてくれたりした。

そして明けて7月17日、いよいよ3948日ぶりのAKB48単独シングルのお披露目を迎える。どんな曲なのか、誰がセンターなのか、お楽しみを約10時間後に控えているわけなのだが、その前にやっぱり新番組のことを考えないわけにはいかない。

略してAKB48の大逆襲

今週の火曜日に第2話(実質第1話)が放送されたが、私のTLは荒れに荒れていた。逆張りの私がツイート出来なくなるくらいTLに勢いがあり、今はもうAKB48に興味がない人たちもオンタイムで番組を視聴したりなんかしていて、その関心の高さが伺えた。

何が良くなかったのかは分かりきっていた、直前での番組の方針転換。当初メンバー全員が戦々恐々としていたこの番組の企画は、世間の反応が思っていたのと違っていたからなのか、直前で無かったことになった。半ば覚悟を決めていたオタクは安堵しただろうし、その先に新しいAKB48の可能性を見ていたオタクは失望した。

その影響もあって、第1回放送は実質今までのAKB48のダイジェストで終わった。中身もまぁお粗末な作りで、その辺のオタクに語らせた方がまだマシなのでは?というぐらいのものだった。実際直前の企画変更があった訳だから、これくらいは仕方ないと個人的には思ったので第1話のことは忘れようと思う。

第2回放送では、番組MCにひろゆきを迎え、ついに新番組がスタート、ということになった。が、まぁこの第2回放送も「なんとか放送に間に合わせた」感じが伝わってくる、とてもお粗末な編集になっていた。その様子を見たオタクはTLに汚い言葉を並べ、晴れてAKB48の大逆襲は「クソ番組」の烙印を押されることになる。

 

実際、何がそこまでオタクの気に障ったのか。4つにまとめてみた。

1.番組MC

兎にも角にも、番組MCへの抵抗感はかなり強かった。"今若者を中心に人気の"というところと、"AKB482ch"という部分で、番組側からしたらこれだ!というキャスティングだったんじゃないかと個人的には想像している。ただこの人選は思ったよりもオタクからの反感を買っていた。若者人気どこ?ってくらいに若いオタクは"おっさんアレルギー"になっていたし、アラサー以上世代からは失笑を買っていたように思う。

2.番組内容

これはタイトルが発表された直後から言われていたけど「乃木坂と競ってどうする」が今のオタクの意見の大半を占めていた。確かにタイミングとしては悪かったかもしれない。2019年に「楽しいばかりがAKB!」と銘打って全国ツアーを敢行し、5月の単独コンサートをもって、2021年のAKB48は「今のAKB48らしさ」を獲得したような手応えがあった。そこへ来て突然「乃木坂を超える」と言われても、いや待てそのフェーズは終わっただろと思うのは当たり前だったかもしれない。

3.論破

やっぱりオタクは推しメンが一番に可愛い。ましてやメンバーのほとんどが10代から20代前半の女の子たちの集まりである。その"目に入れても痛くない推しメン"たちが、次々に"40過ぎのいけすかないジジイ"に言い負かされるところを30分に渡り見せられたのはショッキングだったかもしれない。まぁ実際のところは論破、というよりは誰しもが分かっている正論や事実を押し付けられただけではあるんだけど、テロップその他効果音によってみんなの推しメンは貶められてしまった。

4.AKB48について考えるのは誰?

これは正直オタクの中でも議論が分かれる話なんじゃないかと思う。というか私もさっきまでオタクと話してて「んー」ってなった。

そもそも何でメンバーがAKB48の「これからについて」「何が出来るのか」を考える必要がある?それはあくまで運営や周りのスタッフが考えるべきでは?という意見。に対して、何よりも当事者であるメンバー自身がこれを考えなきゃダメでしょ、そもそもそれは「大人の考えること」だとしてしまうこと自体メンバーに対して配慮が欠ける、操り人形じゃないだろ。という意見と。

 

大体オタクの癪に触ったのはこの辺のお話なんじゃないかと思う。

ここまでは私が見て感じたこと。

ここから先は私なりの考え。

私も全2回の放送を見ていろんな感情を抱いた。まず当初の企画をどうしてお蔵入りしたのか疑問だったし、オタクの反応を見て企画を変えるとか、そんなつまらない姿勢なんや…みたいな。結果、急造で不備だらけの放送を見せられて、内容云々以前に若干不愉快な気持ちにもなった。金輪際オンタイムで見ない、とりあえず録画だけはしとくか。みたいな気持ちも分かる、そもそも放送時間が深すぎるジジイは1時には寝たい。

ただどうしても諦めきれない気持ちもある。次々と冠番組が無くなっていったあの時期を乗り越えて、とうとう地上波に冠番組が戻ってきた。それをたった2回の放送を見ただけで「クソ番組」だとしてしまうのは悲しすぎる。

そもそもオタクはみんな勘違いしてる節がある。この番組は"40過ぎのクソジジイに推しメンが言い負かされる“番組じゃない。あれはあくまでブレインストーミングであり、今後の企画会議なんだよ。そこがあまりにも粗末な番組構成のせいで置き去りになってしまった。

「今回の企画会議で上がった案をもとに、AKB48が乃木坂を超えるべく、さまざまな企画にチャレンジしていく」のが、AKB48の大逆襲!のはず。

あと、番組MCのひろゆきもそういうプロットに従って、論破キャラでメンバーの考えに対して正論をぶつけただけであって、ただ論破してヘラヘラしたいだけじゃなかったはず。まぁそんなことはみんな分かってる…よね…?現に番組最後のメールのやり取りでも「AKB48メンバーが立っていく番組になるといいですね」(うろ覚え)と残していた。

だから、「もう見るのやめた!」みたいなのは早計じゃないかなと。これから先メンバーが挑戦をして、成長して、何を考えて、AKB48を面白くしてくれるか?それをもう少し見守るべきだよね、というのが私の考えです。

 

最後に

4.AKB48について考えるのは誰?についてもう少しだけ。

何となく今の空気感として「あの番組を見て、AKB48についてここまで考えられるオタクだけがここに残った」みたいなところが多少ある。(あるか?)

スクランブルエッグ編集長のやってる「一日一考AKB」にしても、やっぱりそうやってみんながグループのことを考え、どうすれば良くなっていくかを考えていくべきだ。みたいな思想。

私はそれはあくまで「AKB48のある一面」としか思ってない。そういう切り口でも楽しめるよなぁって。「真剣にAKB48と向き合い考えるオタクとメンバーにより、良質なAKB48は作られる」みたいな。無論、私も普段はそういう楽しみ方でAKB48を見てるし、実際にAKB48がこの先どう進んでいくか、推しメンがどういう未来図を描きながら卒業までの道を歩んでいくのか。AKB48はどうあるべきで何をするべきか、あれこれよく分からないことを考えながら毎週末オタクと朝までAKB48の話をする。

ただそれは本当にAKB48の楽しみ方の「ある一面」でしかなくて、それが正解、そうあるべき、なんてものは絶対無い。

だから、今回の番組をきっかけにして、オタクがそういう楽しみ方に傾倒して、そればっかりの雰囲気作りをしちゃうのはどうなんだろうと。平家にあらずんば…みたいな。オタクにこの話をしたら大袈裟だって言われたけど。何となくオタクの分断を生みかねないなって個人的には感じている。

何も考えず自由にAKB48を楽しみたいメンバーはいるし、ただ可愛い女の子を愛でたいだけのファンもいる。(それはそう)

もちろん、今回の新番組は「AKB48の大逆襲」であるわけで、メンバーが主体となってAKB48を盛り上げていこうという趣旨そのものに反対するとかではないし、もちろんそういうのはありだよねと思ってる。

でも片側では「そんなことは周りの大人が考えるべき」っていう考えもそうだよねと思うし、「周りの大人次第」って言ってしまうメンバーの気持ちも分かってあげたい。

内からも外からも、楽しみ方が無限にある究極のコンテンツ「AKB48」がいいなと思う。

 

 

久しぶりの超異臭一本勝負、どうでしょうか。

書けと言われたから書いたぞ。

 

終わり。